かけだし弁護士のころ(5)
かけだし弁護士のころ(5)
1984.7.31
父がガンの疑いで入院。寝耳に水で驚く。
定期検診で肺がんの疑いを示唆され、精密検査のための入院だという。
本人はいたって元気とのこと。
検査結果が判明するのは2週間先とのこと。大したことでなければ良いのだが・・・
8.2
しらさぎ号で帰省。富山に着き、そのまま父の入院している中央病院に行く。
右肺に腫瘍ができており、手術の必要がある。そのための体力検査などしているらしいのだが、そのことを父は詳しく知らない。
母も同様である。
父の病気、入院、これは動かしがたい事実だ。ならばそれを踏まえて、少しでも明るく、力を併せて対応していくべきだろう。
8.3
家族で魚津の水族館に行く。多分2年ぶり。
2年前にきたときは、父も一緒だったのになどと感慨にふける。
9.1
次女が幼稚園に初登園。楽しかったらしい。
ふと思う。私はこの10年間何をしていたのだろうと・・・
何も足がかりが無い。名古屋には。
覚悟していたはずだが、ゼロからの出発は不安を伴う。
一人で考えていると、憂鬱になるときがある。
9.11
H銀行の方が2度も尋ねてきたというので、こちらから電話してみたが、預金の勧誘だった。
H銀行は私の故郷の銀行であり、友人もいるので、仕事の依頼かと勝手に期待していたので、ガッカリした。
裁判官を辞めて日が経つにつれ、公務員時代の安心感の記憶は薄らぎ、あせり、不安が増していく。
いつか伸びるためにも、足場慣らしはあせらずに、じっくりとやらねばならないことは分かっているつもりなのだが・・・
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